興味を覚えてお店の方に建物の由来を伺ってみた。建物は、実はやはり郵便局の建物として使われていたらしい。詳しいことはわからないが、おそらく昭和初期に建てられたものではないかという。かつては(檜原村)役場の近くに建っていたもののようだ。特定郵便局だったため、建物も個人の所有だったが、やがて老朽化に伴って取り壊されることになった。それを知り、取り壊されるのはあまりに忍びないというので、現在の所有者(すなわち、この建物でお店をやっておられる方)が譲り受け、現在地に移築復元されたものらしい。移築復元に際して老朽化の激しいところは新しい木材で復元されているものの、ほぼ往時のままの建物だという。山の斜面に張り付くような立地のため、車両での木材運搬が不可能で、移築の際にはかなり苦労されたようだ。しかしそのお陰で、こうして貴重な建築物の姿を今も見ることができる。