東京都羽村市の西部、多摩川河畔に根搦前(ねがらみまえ)と呼ばれる水田地帯がある。羽村市で唯一の水田地帯だという。通常は稲作を行う水田だが、刈り取りが終わって田植えが始まるまでの農閑期の水田を利用してチューリップを植え、その景観の見事さが評判を呼んで人気を集めている。チューリップの花期が終われば根搦前水田は普段の表情を取り戻す。初秋を迎えれば稲穂は黄金に実って陽光に輝き、周辺の随所で彼岸花が鮮やかな色彩を添えて長閑で美しい田園風景を見せてくれる。
九月の下旬、根搦前水田ではそろそろ稲刈りが始まっている。すでに稲刈りを終えて“はざかけ”されている田もあるし、まだこれからという田もあるし、ちょうど稲刈り作業の真っ直中という田もある。地方の農家に育った身としては懐かしい風景だ。稲刈りを待つ田の中には何体もの案山子(かかし)の立てられたものもある。案山子は古着などを利用して作られたシンプルなもので、“へのへのもへじ”の顔がユーモラスだ。
稲刈りが行われる九月の下旬は彼岸花の咲く季節だ。水田の畦道に真っ赤な彼岸花が並ぶ風景が見られるところも少なくないが、この根搦前水田では田の畦道に彼岸花はない。一ヶ所だけ、畑地の縁に並ぶ彼岸花があったが、他には見られなかった。根搦前の彼岸花は水田地帯の周辺部で多く見ることができる。
九月の下旬、根搦前水田ではそろそろ稲刈りが始まっている。すでに稲刈りを終えて“はざかけ”されている田もあるし、まだこれからという田もあるし、ちょうど稲刈り作業の真っ直中という田もある。地方の農家に育った身としては懐かしい風景だ。稲刈りを待つ田の中には何体もの案山子(かかし)の立てられたものもある。案山子は古着などを利用して作られたシンプルなもので、“へのへのもへじ”の顔がユーモラスだ。
稲刈りが行われる九月の下旬は彼岸花の咲く季節だ。水田の畦道に真っ赤な彼岸花が並ぶ風景が見られるところも少なくないが、この根搦前水田では田の畦道に彼岸花はない。一ヶ所だけ、畑地の縁に並ぶ彼岸花があったが、他には見られなかった。根搦前の彼岸花は水田地帯の周辺部で多く見ることができる。