日南線の旅〜駅の横側
木花駅
木花駅
南宮崎駅から田吉南方と経由してほぼまっすぐに南下してきた日南線は、清武川を渡ってわずかに東へ折れ、木花駅に到着する。周辺は河畔の田園地帯だが、駅の付近は住宅が建ち並んで小さな町を形成している。住所の上では宮崎市大字熊野だが、字名の「木花」の方が昔からよく知られている。

「木花」とはなかなか美しい地名だが、これは日本神話に語られる木花之佐久耶毘売に由来するもので、木花之佐久耶毘売を祀る木花神社が駅の西方に鎮座している。昔はのどかな土地だったが、今では駅西方は住宅街として造成され、様相も変わってきた。駅の東方には県道367号が走り、すぐ南で国道220号と合流する。その東方には総合運動公園が横たわり、公園内のサンマリンスタジアムが近い。
木花駅
駅は無人駅だが、小さな駅舎が建つ。駅舎は1963年(昭和38年)に国鉄日南線が全線開通した際に建てられたもので、改修やリニューアルなどを重ねて使用されている。木花駅は読売巨人軍のキャンプの際にメイン球場として使用する「ひなたサンマリンスタジアム宮崎」の最寄り駅ということで、駅舎は読売巨人軍の球団カラーに塗装されている。

地元有志や宮崎大学などが中心となって地元住民や企業などから寄付を募って、数年をかけて実現したものという。巨人軍の球団カラーの塗装が施されているのは駅舎の東側の外壁のみで、ホームに面した西側壁面や内部は以前のままだ。駅舎内の壁面の一角には巨人軍でも活躍した宮崎県出身の故木村拓也選手(享年37)の写真パネルが掲げられている。
木花駅
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木花駅
駅舎から線路側に出ても、直接ホームに出ることはできない。駅舎から線路脇の小道を北へ辿っていったん官舎踏切という名の踏切へと出て、踏切の中間辺りからホームへ向かう形だ。乗車券の自動券売機もホームに設けられており、だから東口からも西口からも官舎踏切から直接ホームへ向かえばいいわけで、今や駅舎は駅の施設としての機能をほとんど有しておらず、ただの待合所だと言っていい。
木花駅
木花駅は島式ホームを持つ交換可能駅で、ホームから見ると北へも南へもまっすぐに線路が延び、このあたりが河川流域の平野部であることを窺わせる。南へ視線を向けると延びる線路の向こうに県南部の山々の稜線が見える。
木花駅
木花駅 木花駅
木花駅 木花駅
木花駅の東口、すなわち駅舎が建つ側には小さなロータリーが整備されている。ロータリーというより、ラウンドアバウトというべきか。その中心には緑地帯が設けられ、椰子の木(おそらくビロウだろう)が植えられて南国風情を漂わせている。駅東側は昔は空き地のような広場があるだけだったが、2016年(平成28年)に整備が完了し、現在のような景観に生まれ変わっている。
木花駅
木花駅の西口にはバス停を備えた広いロータリーが2014年(平成26年)に整備された。ロータリーの中心部には5台分のスペースを備えた駐車場がある。駅利用者用の無料駐車場だ。

西口と東口とは官舎踏切によって繋がっている。今ではこの官舎踏切が木花駅の実質的なエントランスだと言っていい。以前はこの場所に踏切はなかった。駅周辺の整備の際に新たに設けられたものか。あるいはかつての改札口前の構内踏切を移設した形なのかもしれない。
木花駅
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駅周辺の木花の町は特に観光名所として知られるものはないが、寺社は多く、それらを訪ねて木花の町から清武川河畔を散策してみるのも楽しめるものかもしれない。日本神話に興味のある人なら木花神社は訪ねてみたいところだろう。サンマリンスタジアムへも運動公園駅より木花駅の方が近い。木花駅から南へ、日南線の線路は国道220号と並んで総合運動公園の横を南下してゆく。加江田川を渡ると大きく東へ屈曲、曽山寺を経由して青島周辺の観光地へと辿っている。
木花駅
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INFORMATION
木花駅
【所】宮崎市大字熊野
【開】1913年(大正2年)10月31日
このWEBページは「日南海岸散歩」内「日南線の旅」カテゴリーのコンテンツです。
ページ内の写真は2023年夏に撮影したものです。本文は2023年11月に改稿しました。