日南海岸風景
富土海水浴場
富土海水浴場
国道220号を宮崎市から日南市へと南下し、伊比井を過ぎて岬を回ると、富土海水浴場の浜辺が見えてくる。富土は「ふと」と読む。日南市の最北部に近い辺りに位置し、日南市街からも、もちろん宮崎市街からも距離があるが、宮崎県南部の海水浴場のひとつとして多くの海水浴客を集めて賑わっている。
富土海水浴場
富土はわずかな家々の並ぶ小さな集落で、緑濃い山々に囲まれた静かなところだ。北と南を岬に挟まれた美しい入り江に富土川が注ぎ、その河口部から南側の浜辺が海水浴場になっている。北方を見ても南に目を向けても、砂浜の背景には岬へと連なる山々が横たわり、その山々に抱かれているような安心感の中に海辺の開放感を漂わせている。富土海水浴場の沖には島はなく、眼前には水平線が横たわるばかりだ。陽光を浴びて山々の緑が輝き、その向こうに蒼く澄み渡った空と海が広がり、その中に打ち寄せる波の白さが映える。その景観の見せる色彩のコントラストが美しい。
富土海水浴場
富土海水浴場
海水浴場は二階建ての休憩棟を中心に端正に整備されている。浜辺に沿って遊歩道が延びているが、これは防波堤を兼ねているのだろう。遊歩道に沿ってところどころに椰子の木などが植栽されて南国的風情を醸している。青と白を基調にした意匠の休憩棟のデザインもリゾート感に溢れている。海水浴場としての設備は完備されており、若干の使用料が必要だがシャワーやコインロッカー、レンタルのパラソルやチェアなどが用意されている。休憩棟の傍らには子供用のプールなども置かれている。富土海水浴場の設備で特徴的なものはマリンプールだろう。砂浜の沖合いの海上に、四角い「浮き」を繋いで設けられた「プール」で、海水浴客の人気を集めている。
富土海水浴場
富土海水浴場 富土海水浴場
富土海水浴場
日南線の伊比井駅が富土海水浴場の最寄り駅ということになっているが、徒歩で来られる距離ではなく、駅からバスを利用しなくてはならず、バス路線の便数が少ないのが難点だろう。かつてはバスで訪れる人も少なくなかったものだが、今ではほぼすべての海水浴客が車でやってくるだろう。国道220号を宮崎市側から南下してくれば、伊比井を過ぎて富土の集落に入り、富土から小目井へと抜ける「富土トンネル」の手前に、日南市側から来れば「富土トンネル」を抜けた直後に、富土海水浴場入口を示す交差点があり、そこを海側に逸れれば道路沿いに海水浴場の駐車場が設けられている。この道路は「富土トンネル」の開通以前の旧国道220号で、そのまま南へ岬を回ると「サボテンハーブ園」に至っていたのだが、「サボテンハーブ園」も今はない。
富土海水浴場
INFORMATION
富土海水浴場
【所】日南市富土
【問】日南市観光協会
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ページ内の写真は2006年夏に撮影したものです。本文は2007年6月に改稿しました。