JR只見線七日町駅（福島県会津若松市）

現在の七日町駅舎は淡いグリーンの屋根を載せた瀟洒な意匠の建物だが、これは2002年（平成14年）に完成したものだ。古い建物を活用した魅力ある町づくりのために地元有志によって1994年（平成6年）に発足した「七日町通りまちなみ協議会」が主体となり、2001年度（平成13年度）に県と市の補助を受けて実施された事業だったという。その“大正浪漫”の風情溢れるレトロなデザインの駅舎は、「七日町通りまちなみ協議会」による町づくりのコンセプトに合致したもので、駅舎の建物そのものが会津観光の対象となり得る魅力を持っている。

駅舎内には会津17市町村（会津若松市、猪苗代町、磐梯町、北塩原村、喜多方市、西会津町、湯川村、会津坂下町、会津美里町、柳津町、三島町、金山町、只見町、檜枝岐村、南会津町、昭和村、下郷町）のアンテナショップ「駅カフェ」が設けられている。現在の駅舎の完成に合わせて開業したものだ。

「駅カフェ」内は決して広くはないが、所狭しと地元の工芸品などが陳列されており、それらを見てみるだけでも楽しい。「駅カフェ」の名のように地酒の仕込み水で入れた水出しコーヒーや地元産フルーツを使ったジュース、マフィンやスコーン、シフォンケーキなどを楽しむこともでき、会津若松散策の際の一休みの場所としてもお勧めと言っていい。

七日町駅には会津若松市内の観光スポットを巡る周遊バス「ハイカラさん」と「あかべぇ」が停車する。会津若松市内の観光にはこの周遊バスを使うのがとても便利だ。その途中で七日町駅に立ち寄り、駅を発着する列車の姿を眺めながらお茶を楽しむのもいいものだ。「駅カフェ」には観光インフォメーションコーナーも設けられており、観光案内所も兼ねているから、いろいろと話を伺ってみるのもお勧めだ。意外なお勧めスポットを知ることができるかもしれない。

七日町駅はJR只見線で会津若松駅から一駅、乗車時間は3分ほどだがJR只見線は便数が少なく、1時間に1、2本ほどしかない。

「駅カフェ」、あるいは七日町駅そのものに訪れるのが目的なら、会津若松駅から周遊バスを利用すると便利だ。まちなか周遊バス「ハイカラさん」なら会津若松駅から10分ほどで着く。「あかべぇ」という周遊バスは「ハイカラさん」とは逆回りなので会津若松駅から七日町駅まで45分ほどを要する。

駅近くには「駅カフェ」の駐車場も用意されているようだが、少しばかり場所がわかりにくく、駐車スペースも4台分しかない。七日町通り沿いの民間駐車場に車を置き、徒歩で訪れてもいいだろう。

遠方から車で訪れる場合は磐越自動車道会津若松ICを利用するのが近い。会津若松市街に入って国道118号を南下、市街中心部の交差点を国道252号へ右折すれば七日町通りだ。

「駅カフェ」では各種ドリンク類や、スコーン、シフォンケーキ、パウンドケーキなどとのセットメニューが楽しめるが、食事メニューはない。

七日町通りから野口英世青春通り、さらにその周辺にさまざまな飲食店が点在しているので、食事は散策を楽しみながら気に入った店を探して楽しもう。会津の郷土料理などを楽しむのがお勧めだ。

七日町駅前から東へ七日町通りが延びる。その東端（大町四つ角）から南へ延びるのは野口英世青春通り、この辺りが会津若松市の中心部で繁華なところだ。市街中心部から国道118号を南下すれば鶴ヶ城だ。七日町駅から鶴ヶ城の北入口まで2kmを超える距離で、徒歩では30分以上かかるが、町散歩を楽しみながらのんびりと辿ればいい。鶴ヶ城から東へ1.5kmほどで御薬園、さらに東へ1kmほどで会津武家屋敷だ。飯盛山は北東の方角、3km以上の距離がある。

会津若松市街の観光地巡りには会津バスのまちなか周遊バスを利用するのが便利だ。フリー乗車券を購入すれば当日は何度でも乗れる。車で会津若松市に訪れた場合も駅近くの駐車場に車を置き、まちなか周遊バスを使って市内を巡るのが気軽でお勧めだ。フリー乗車券は「会津バス駅前観光案内所」などで購入できる。「駅カフェ」でも販売しているようだ。詳細は会津バスのサイトを参照されたい。

車で訪れたなら、猪苗代湖畔へ足を延ばすのもいい。国道49号を東へ辿って、会津若松市街から30分ほどで湖畔に着く。