「槻川散策回廊」が設けられているのは都幾川と槻川の合流点から槻川の上流部の右岸、県道173号が槻川を跨ぐ槻川橋の袂まで、およそ500メートルほどの区間だ。右岸堤防と川の流れとの間、河原からは一段高くなった形で設けられている。“回廊”内には遊歩道が辿り、のんびりと河岸の散策を楽しむことができる。ニセアカシアの林の中を抜ける「ニセアカシア回廊」、川辺を辿る「みずぎわ回廊」、都幾川との合流点近くに設けられた「展望広場」など、工夫を凝らした構成になっている。“回廊”内には約120種類の草木が生息しているそうで、カンゾウやキツネノカミソリ、センニンソウなどといった花を、その季節に楽しむことができるという。
その「槻川散策回廊」に、九月中旬から十月上旬にかけて彼岸花が咲く。彼岸花は“回廊”のほぼ全域で見ることができる。場所によって密であったり疎らであったりはするが、遊歩道に沿って辿れば美しい初秋の風景を存分に楽しむことができる。遊歩道に沿って並ぶ彼岸花の表情や、彼岸花越しに見る槻川の川面の様子などを楽しみながら歩けば時を忘れる。木漏れ日の中、初秋の川風を感じながら、のんびりと彼岸花の咲く風景を楽しむのがお勧めだ。