相模原市緑区城山
−津久井湖城山公園−
水の苑地
Visited in May 2023
相模原市緑区城山二丁目、城山ダムを望む津久井湖左岸に津久井湖城山公園「水の苑地」が設けられている。「水の苑地」の名の通り、苑内にはカスケードや噴水などが設けられ、涼やかな水の景色を楽しめる公園だ。津久井湖城山公園の一部という位置付けだが、そもそもは津久井湖園地として昔から親しまれていたところで、津久井湖を望む景勝地として人気のあったところだ。
神奈川県立津久井湖城山公園が開園したのは1999年(平成11年)のことだ。昔から津久井湖園地として親しまれていた津久井湖湖岸の園地を「水の苑地」、「花の苑地」と名付けて津久井湖城山公園の一部として整備し、併せて城山の一部を開放する形で開園した。当時はまだ根小屋地区は開園していなかった。根小屋地区の整備が終わって開園したのは2006年(平成18年)のことだ。
現在の津久井湖城山公園は根小屋地区が中心で、「水の苑地」と「花の苑地」はその構成要素の一つという位置付けだ。特に「水の苑地」は津久井湖の対岸にあるため、“分園”のような印象もある。さらに言えば「水の苑地」は根小屋地区とはかなり性格が違い、別の公園であるかのような存在感もある。「水の苑地」は端正に整備された苑内の景色や津久井湖を望む景観の美しさが魅力的で、それだけでひとつの公園として成立していると言っていい。
現在の津久井湖城山公園は根小屋地区が中心で、「水の苑地」と「花の苑地」はその構成要素の一つという位置付けだ。特に「水の苑地」は津久井湖の対岸にあるため、“分園”のような印象もある。さらに言えば「水の苑地」は根小屋地区とはかなり性格が違い、別の公園であるかのような存在感もある。「水の苑地」は端正に整備された苑内の景色や津久井湖を望む景観の美しさが魅力的で、それだけでひとつの公園として成立していると言っていい。
国道413号を西へ辿り、城山ダムを渡る直前、城山高校の傍らの丁字路交差点を県道513号へと右折すると津久井湖城山公園「水の苑地」だ。津久井湖記念館の傍らに入口広場があり、さらに少しばかり進んだところに駐車場も設けられている。この道路から湖岸にかけてのエリアが「水の苑地」として整備されている。
入口広場から駐車場付近まで、県道沿いのエリアは「水の苑地」の中心部より一段高みにあり、随所で津久井湖側への眺望を楽しめる。苑地のほぼ全景を見下ろし、その向こうに津久井湖と湖畔の風景が広がる。「水の苑地」を訪れた際は、まずはこの風景を楽しんでおきたい。
入口広場から芝生広場へ降りる斜面は階段を兼ねたカスケードだ。カスケードには小さな噴水が設けられており、時間によって小さく水を噴き上げる。可愛らしい噴水だ。
カスケードの下にはテラスが設けられている。テラスの端には円弧状の池があり、その下には“滝”が造られている。“滝”を落ちた水が広場の池に導かれており、カスケードから“滝”を経て広場の池まで、水の流れが一連の“水の風景”を織りなしているという構成だ。広場の池を含め、苑地内の水施設はあくまで修景目的のもので、残念ながら水遊びはできないので注意されたい。
広場東側に設けられた“滝”を広場側から見上げる風景は涼やかで美しく、津久井湖城山公園「水の苑地」を象徴するものだと言っていい。“滝は”水流の裏側を通ることができる。苑地の風景を流れ落ちる水の向こうに見るのも楽しい。
池は水路のように円を描き、その内側に芝生広場が設けられている。カスケードから芝生広場へ至るエリアはシンメトリックな幾何学的デザインで造られており、その造形美も見所と言っていい。
広場の西側は津久井湖の湖岸で、目の前に津久井湖が横たわる。城山ダムの姿も間近に見ることができ、対岸には「花の苑地」も見える。その背後に聳える山は城山だ。それらが織りなす風景は大変に美しく、いつまで見ていても飽きない。湖岸には展望デッキのように整備されたところもあり、設けられたベンチに腰を下ろして眺めを楽しんでいると時の経つのを忘れる。
そもそもこの辺りは、ダムが造られる以前は津久井峡と呼ばれる景勝地だったそうだ。渓谷の美しさは湖の美しさに姿を変えてしまったが、今でも充分に景勝地としての魅力を感じさせてくれる。
昔(津久井湖城山公園が開園してしばらくの頃まで)は、津久井湖の湖岸にボート乗り場があった。手漕ぎボートやスワンボートが用意されており、行楽シーズンの休日になればボート遊びに興じる人たちで賑わったものだ。
ボート乗り場が廃止されたのはいつ頃だろう。(ウェブ上のさまざまな人のブログ記事などを参考にすると)少なくとも2012年(平成24年)頃までは営業していたようだが、2018年(平成30年)には閉鎖されてしまっていたようだ。今(2023年5月現在)では往時の切符売り場の建物だけが残され、日射しの中に昔日の賑わいの名残を留めている。いずれこの建物も解体、撤去されるのかもしれない。やがてはここにボート乗り場があったことさえ忘れられてしまうのだろう。
入口広場から駐車場付近まで、県道沿いのエリアは「水の苑地」の中心部より一段高みにあり、随所で津久井湖側への眺望を楽しめる。苑地のほぼ全景を見下ろし、その向こうに津久井湖と湖畔の風景が広がる。「水の苑地」を訪れた際は、まずはこの風景を楽しんでおきたい。
入口広場から芝生広場へ降りる斜面は階段を兼ねたカスケードだ。カスケードには小さな噴水が設けられており、時間によって小さく水を噴き上げる。可愛らしい噴水だ。
カスケードの下にはテラスが設けられている。テラスの端には円弧状の池があり、その下には“滝”が造られている。“滝”を落ちた水が広場の池に導かれており、カスケードから“滝”を経て広場の池まで、水の流れが一連の“水の風景”を織りなしているという構成だ。広場の池を含め、苑地内の水施設はあくまで修景目的のもので、残念ながら水遊びはできないので注意されたい。
広場東側に設けられた“滝”を広場側から見上げる風景は涼やかで美しく、津久井湖城山公園「水の苑地」を象徴するものだと言っていい。“滝は”水流の裏側を通ることができる。苑地の風景を流れ落ちる水の向こうに見るのも楽しい。
池は水路のように円を描き、その内側に芝生広場が設けられている。カスケードから芝生広場へ至るエリアはシンメトリックな幾何学的デザインで造られており、その造形美も見所と言っていい。
広場の西側は津久井湖の湖岸で、目の前に津久井湖が横たわる。城山ダムの姿も間近に見ることができ、対岸には「花の苑地」も見える。その背後に聳える山は城山だ。それらが織りなす風景は大変に美しく、いつまで見ていても飽きない。湖岸には展望デッキのように整備されたところもあり、設けられたベンチに腰を下ろして眺めを楽しんでいると時の経つのを忘れる。
そもそもこの辺りは、ダムが造られる以前は津久井峡と呼ばれる景勝地だったそうだ。渓谷の美しさは湖の美しさに姿を変えてしまったが、今でも充分に景勝地としての魅力を感じさせてくれる。
昔(津久井湖城山公園が開園してしばらくの頃まで)は、津久井湖の湖岸にボート乗り場があった。手漕ぎボートやスワンボートが用意されており、行楽シーズンの休日になればボート遊びに興じる人たちで賑わったものだ。
ボート乗り場が廃止されたのはいつ頃だろう。(ウェブ上のさまざまな人のブログ記事などを参考にすると)少なくとも2012年(平成24年)頃までは営業していたようだが、2018年(平成30年)には閉鎖されてしまっていたようだ。今(2023年5月現在)では往時の切符売り場の建物だけが残され、日射しの中に昔日の賑わいの名残を留めている。いずれこの建物も解体、撤去されるのかもしれない。やがてはここにボート乗り場があったことさえ忘れられてしまうのだろう。
入口広場の横手には津久井湖記念館が建っている。津久井湖記念館は津久井湖城山公園の施設ではないが、「水の苑地」に併設された施設のような印象もある。城山ダム完成から一年後の1966年(昭和41年)に建てられたものという。
館内には資料室が設けられ、水没地域の人々から収集された生活用具や往時の風景を伝える写真などが展示されている。立ち寄って展示資料を見学し、城山ダムが造られる以前の風景や人々の暮らしに理解を深めるのもいい。
さらに少し足を延ばして国道413号を越えて相模原城山高校の西側へ歩を進めると、城山ダムを見下ろす展望所が設けられている。湖側からではなく下流側からダムを見ることができる。興味のある人は訪ねてみるといい。
館内には資料室が設けられ、水没地域の人々から収集された生活用具や往時の風景を伝える写真などが展示されている。立ち寄って展示資料を見学し、城山ダムが造られる以前の風景や人々の暮らしに理解を深めるのもいい。
さらに少し足を延ばして国道413号を越えて相模原城山高校の西側へ歩を進めると、城山ダムを見下ろす展望所が設けられている。湖側からではなく下流側からダムを見ることができる。興味のある人は訪ねてみるといい。
津久井湖城山公園「水の苑地」は初夏から夏にかけての季節に訪れるのがお勧めだが、もちろん四季折々に魅力的な表情を見せてくれて楽しめる。桜の時期の景観も見事で、昔から花見の名所としても名高い。毎年五月頃には花壇に植えられたルピナスが見頃を迎える。これもお勧めだ。遊具などは置かれていないので子どものいるファミリーのレジャーには物足りないかもしれないが、美しい景色を眺めながらゆったりとした時間を過ごすことのできる、いわば大人のための公園と言っていい。身近な行楽地、景勝地としての魅力も大きい。お勧めの公園だ。
津久井湖城山公園「水の苑地」には65台分の来園者用無料駐車場が設けられており、車での来園も便利だ。バスで訪れる場合は橋本駅から「三ヶ木(中野経由)」行きバス(橋01系統)を利用し、「城山高校前」バス停で下車すればすぐだ。苑内にはレストランなどはない。お弁当を持参して津久井湖を眺めながらのランチタイムも楽しい。
津久井湖城山公園「水の苑地」には65台分の来園者用無料駐車場が設けられており、車での来園も便利だ。バスで訪れる場合は橋本駅から「三ヶ木(中野経由)」行きバス(橋01系統)を利用し、「城山高校前」バス停で下車すればすぐだ。苑内にはレストランなどはない。お弁当を持参して津久井湖を眺めながらのランチタイムも楽しい。