横浜線沿線散歩公園探訪
八王子市片倉町
−片倉城跡公園−
桜咲く片倉城跡公園
April 2003
桜咲く片倉城跡公園
春の片倉城跡公園はお花見の穴場と言ってもよいかもしれない。桜は主に丘の上の本丸跡と二の丸跡の横手にあり、周囲を木立で遮られているために周囲からは見ることができず、例えば公園下の国道16号を走る車や公園の南側を通る横浜線の車窓からも、公園に見事な桜があることがわからない。地元の人にはよく知られてはいるが、それだけに「知る人ぞ知る」的なところもあって楽しい。
桜咲く片倉城跡公園
国道16号に面した公園入口から「彫刻広場」を抜けて住吉神社へと向かう階段を上り、丘の上に出ると、頭上を覆う見事な桜が出迎えてくれる。住吉神社の上側の広場が本丸跡で、その広場の神社側に大きな桜が枝を広げている。桜の下ではシートを広げて宴会を楽しむグループの姿があった。

本丸跡から西へ空堀跡らしい窪地を抜けてゆくと二の丸跡の広場へ出る。この二の丸跡と本丸跡との間に桜が多く、頭上は桜色に染まったように見える。訪れた時にはすでに満開の時期をわずかに過ぎてはらはらと花の散る時期だったが、落ちた花弁が地面を覆い、まさに「桜の絨毯」といった表情で楽しませてくれた。

桜咲く片倉城跡公園
二の丸跡の広場の真ん中に立って本丸跡の方を眺めると、ひときわ大きく枝を広げた桜が見事な姿を披露してくれているのが見える。遠目には大きな一本の桜のようにも見えるが、隣り合った二本の桜が互いに手を取り合うように寄り添い、そのような素晴らしい景観を作りだしているのだ。その見事な桜の下では、シートを広げてくつろぐ人たちや頭上を見上げながらそぞろ歩きを楽しむ人などがそれぞれに花見を楽しんでいる。花の近くでスケッチブックを広げている人の姿もあった。遠くからの景色をスケッチしているというふうではなく、桜の花の精密な描写であるのかもしれない。二の丸跡の広場の西側にも林を背景に桜が咲き誇り、美しい景観を見せる。少し離れて景観を楽しむのもよく、桜の下を歩いて間近に眺めるのもいい。

二の丸跡の広場の西側には畑地が広がり、のどかな春の丘の風景が横たわっている。畑地の中を抜ける小径へと歩を進めて春の散策を楽しむのもよいものだろう。
桜咲く片倉城跡公園
桜咲く片倉城跡公園
丘の上から北側へと降り、初夏には美しい菖蒲田となる湿地を抜けて湯殿川の河畔へと出ると、河岸の舗道脇に広場が設けられている。この広場にも舗道に沿って桜が植えられており、のどかな河畔の風景に春の色彩を添えている。まだ若木で、枝振りもそれほど大きなものではないが、それがかえって若々しく瑞々しい雰囲気を醸し出し、春らしい魅力を感じさせるようにも思える。広場ではのんびりと散策を楽しむ人たちや、子どもを連れた近所の人の姿があった。

湯殿川河岸から東の方を見ると、国道16号が湯殿川を渡る住吉橋の向こうに見事な桜の姿が見える。住吉橋から下流側にかけて、湯殿川河畔には桜が植えられており、これも美しい景色で楽しめる。公園側から国道を渡るには北側の国道16号と北野街道との交差点や南側の「片倉駅入口」交差点へと廻らなくてはならないのが少々不便だが、片倉城跡公園へお花見へ訪れた際には足を延ばして湯殿川河畔の桜も見ておきたい。
片倉城跡公園の桜は数の点ではそれほどの規模ではなく、その意味では「桜の名所」と呼ぶには物足りないが、ひっそりとした丘の上の広場に咲く様子は魅力的で、ひととき喧噪から離れて、穏やかなお花見の時間を過ごすことができる。家族やグループでお弁当を持ってピクニック感覚で訪れるのが、より楽しめるように思える。
桜咲く片倉城跡公園