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多摩市落合〜豊ヶ丘
晩秋の落合から豊ヶ丘へ
December 2015
晩秋の落合から豊ヶ丘へ
すでに初冬と呼ぶべき12月の初旬、市街地の木々もようやく紅葉に染まる。見慣れた街の中に紅葉の景観を求めて、多摩ニュータウンに出かけた。多摩ニュータウンは公園や緑地が随所に点在し、思わぬところで美しい紅葉に出会える。多摩センターから東へ、豊ヶ丘の街を一回りしてみよう。
抜けるような青空に恵まれた日だった。まず多摩センターから南へ、パルテノン大通りを辿って多摩中央公園北側の道路へ下りる。その道路を東へ辿って豊ヶ丘の街を目指してゆくことにしよう。
晩秋の落合から豊ヶ丘へ/落合白山神社

晩秋の落合から豊ヶ丘へ/落合白山神社

晩秋の落合から豊ヶ丘へ/落合白山神社
道が大きく南に曲がってゆく辺り、多摩中央公園の東端部に隣接して落合白山神社が鎮座している。落合白山神社に参拝し、散策の無事を祈願してゆこう。

落合白山神社がいつ頃創建されたのかはよくわかっていないらしい。御由緒によれば、1618年(元和4年)に八王子代官小宮山ハ兵衛助為(こみやまはちべいすけため)が大旦那となり、東福寺別当僧圓能に村人が助力して加賀一ノ宮の白山神社を勧請したことがわかっているということだが、神社に伝わる五体の神像は平安、鎌倉の時代に造られたものらしい。素人の推測だが、平安の昔から神を祀った社が存在し、江戸時代になって白山神社を勧請して、今に伝わる形になったということかもしれない。

以来、唐木田、中組、山王下、青木葉、上ノ根の五つの地区の鎮守として人々の信仰を集めてきた。かつては武蔵の国府があった府中と鎌倉とを繋ぐ相模道(さがみみち)の沿道に位置し、往来の人々の休憩の場にもなっていたのではないかという。

多摩ニュータウンの開発が始まると、神社の境内地も強制買収提供となり、旧社殿は解体されたという。1983年(昭和58年)、本殿と拝殿を一体構造とした権現造りの新たな社殿が造営され、現在地に遷座、今は多摩ニュータウンの鎮守である。境内地から社殿を見ると、その背後にはベネッセのビルが聳えている。その光景が、「ニュータウン」の神社としての在り方を象徴しているように思える。
晩秋の落合から豊ヶ丘へ/多摩青木葉交差点付近
落合白山神社を後にして、東へ辿ろう。すぐに「多摩青木葉」交差点だ。この交差点は昔は単に「青木葉」という名だった。いつ頃変更されたものだろう。「多摩青木葉」交差点を左(東)に折れ、「青木葉通り」を200メートルほど進むと「豊ヶ丘小入口」交差点、「上之根大通り」が多摩ニュータウンを南北に抜けて「多摩ニュータウン通り」と「尾根幹線」とを繋いでいる。「上之根大通り」の西側は落合の街、東側は豊ヶ丘の街だ。豊ヶ丘の街は、その名が示すように「丘」を成しており、「豊ヶ丘小入口」交差点の東側の丘上には豊ヶ丘小学校がある。交差点から東へ、豊ヶ丘の街へと道が登っている。これを辿ってゆこう。

晩秋の落合から豊ヶ丘へ/豊ヶ丘第2公園
道は丘上へと続く上り坂だ。先を急がず、のんびりと歩く。途中、道の右手に「豊ヶ丘第2公園」という小公園があった。公園というより樹林地というべき様相で、園内にはモミジも数多く植栽されており、見事な紅葉に染まっていた。真っ赤に染まったモミジやオレンジ色のモミジが日の光を浴びて輝く景観が美しい。場所を変え、見る角度を変え、モミジと陽光とが作り出す景観を堪能してゆこう。ときおり公園の横を通り抜けてゆく人の姿がある。近くに暮らす人なのだろう。立ち止まってスマートフォンのカメラを向ける人の姿もあった。

晩秋の落合から豊ヶ丘へ/豊ヶ丘第一公園
「豊ヶ丘第2公園」を後に、さらに坂道を上る。道が大きく右手に曲がると、そろそろ丘の上だ。右に集合住宅が並ぶのを見ながら進むと、道は緩やかに下りに転じる。少し行くと歩道橋が道を跨いでいる。その歩道橋脇から右手の住宅街に上ったところに「豊ヶ丘第一公園」がある。小さな公園だが、この季節、広場脇のモミジが鮮やかな紅葉に染まっている。豊ヶ丘第一公園の広場の横には小高い丘がある。丘上に上ると視界が開けて爽快な眺めが楽しめる。吹き渡ってゆく風が心地よい。
豊ヶ丘第一公園横から北へ舗道を辿ると「豊ヶ丘北公園」が近い。雑木林を活かして造られた公園で、四季折々に美しい表情が楽しめる。豊ヶ丘北公園にも立ち寄ってゆこう。

晩秋の落合から豊ヶ丘へ/豊ヶ丘の舗道
豊ヶ丘北公園を一巡りした後は豊ヶ丘第一公園横の舗道を南へ辿る。少し進むと、舗道脇にモミジが植栽されているところがあった。モミジはどれも見事な紅葉に染まっている。モミジは決して大きなものではないが、日差しを浴びて輝く姿が素晴らしい。予期せずこうした景観に出会えるのがこの季節の散策の醍醐味だ。秋空を背景にしてみれば青空とのコントラストがたいへんに美しい。さまざまな角度からカメラを向けたくなるが、やはり逆光の中に透過光を浮かび上がらせる景観が素晴らしい。

晩秋の落合から豊ヶ丘へ/とちのき公園横
舗道をさらに南へ辿る。豊ヶ丘小学校の東側を辿り、しばらく進むと、左手に「とちのき公園」がある。公園南西側角のエントランス部と南東側角のエントランス部に、これも美しいモミジがあった。特に公園南側を通る「豊ヶ丘中通り」に面した公園外縁部に植えられたモミジが日差しを浴びて美しい姿を見せている。公園の中、広場脇にはあまりモミジは無いようだが、ケヤキなどの落葉樹が晩秋の気配を漂わせている。園内西側ではシンボルツリーのように大きなクスノキが枝を広げ、この季節にも緑濃い姿で存在感を放っている。その景観もなかなか素敵だ。

晩秋の落合から豊ヶ丘へ/豊ヶ丘第3公園付近
「とちのき公園」から元の舗道に戻り、南へ辿る。この舗道には「豊ヶ丘スクールロード」の愛称があるようだ。「豊ヶ丘スクールロード」は豊ヶ丘三丁目の街を抜けてゆく。しばらく進むと、舗道の“交差点”のような場所があった。左手(東側)には豊ヶ丘第3公園が、右手(西側)には道路を挟んで豊ヶ丘第8公園がある。ここでも美しい紅葉の風景を楽しむことができた。舗道脇や豊ヶ丘第3公園の広場脇などに真っ赤なモミジがあり、常緑樹の緑とのコントラストが美しいコントラストを見せる。その風景を楽しんでゆこう。

晩秋の落合から豊ヶ丘へ/豊ヶ丘の舗道
豊ヶ丘第3公園脇からさらに南へ少し進むと、舗道の上を一般道路が跨いでいる。その手前、舗道脇にイチョウが2本並んでいる。イチョウはすっかり落葉が進んでしまっているが、まだ枝にも葉が残り、見上げれば青空を背景に日差しを浴びて黄金に輝く様子が美しい。落ちたイチョウの葉は舗道の路面を覆い、これも風情ある景観を見せている。イチョウの木の横にはベンチが設けられている。ベンチに腰を下ろし、イチョウを眺めながら一休みしてゆこう。

晩秋の落合から豊ヶ丘へ/豊ヶ丘南公園
イチョウの横から150メートルほど舗道を南へ辿ると、歩道橋が舗道を跨いでいる。歩道橋は舗道の西側を併走する一般道路とを一跨ぎにして東側と西側を繋いでいる。歩道橋を渡って西側へと歩を進める。歩道橋を渡った先は「豊ヶ丘南公園」だ。豊ヶ丘南公園は池を抱える公園で、多摩ニュータウン内の公園では比較的大きな方だろう。園内にはさまざまな木々が植栽され、今は晩秋の色に染まっている。その景観を楽しみながら、池の岸辺を西へ辿ってゆく。
豊ヶ丘南公園を西へ通り抜けると大きな道路が南北に抜けている。「上之根大通り」だ。「上之根大通り」を西へ横断すれば落合三丁目の街。豊ヶ丘の街を後にして、落合の街へと辿ろう。

晩秋の落合から豊ヶ丘へ/落合第二公園
そのまま西へ辿れば300メートルほどで落合南公園だ。落合南公園へ立ち寄り、それから落合3丁目の町の舗道を北へ向かう。落合東小学校の南側には落合第二公園という小公園がある。コナラなどの落葉樹が紅葉しており、秋の日差しに輝いている。広場中央部に立つ緑のクスノキと良いコントラストを見せる。落合東小学校の横を抜けて一般路を橋で越えると右手に落合第一公園がある。この公園も小さな公園だが、これらの小公園が舗道によって有機的に繋がれているのが、多摩ニュータウンの魅力と言っていい。

落合第一公園から500メートルほど舗道を辿れば「多摩青木葉」交差点だ。そのまま多摩センターに戻り、一休みしてから帰路を辿ることにしよう。
豊ヶ丘の街は以前から歩いてみたいと思っていたから、良い機会になった。舗道を辿るだけでもさまざまに美しい紅葉に出会えた散策だった。この季節だからこそ気付く風景だ。そうした景観を楽しめるのが、晩秋の散策の醍醐味と言っていい。次の機会には豊ヶ丘の町のもっと南側も歩いてみたい。
晩秋の落合から豊ヶ丘へ

晩秋の落合から豊ヶ丘へ

晩秋の落合から豊ヶ丘へ