東京都府中市の武蔵野公園では初秋を迎えると野川の河岸で彼岸花やコスモスなどを見ることができる。秋の気配が漂い始めた九月の末、武蔵野公園を訪ねた。
初秋の武蔵野公園
武蔵野公園は園内に「苗圃」があり、さまざまな樹木を見ることのできる公園だ。公園北側には野川が流れ、野川に沿った散策も楽しい。季節が初秋を迎える頃、野川の河岸を歩けば彼岸花やコスモスなどの花を見ることができる。花の数は少ないのだが、充分に初秋の散策の目を楽しませてくれる。
初秋の武蔵野公園
初秋の武蔵野公園
初秋の武蔵野公園
公園の東側、西武多摩川線が頭上を越える辺りで、野川の河岸に彼岸花を見ることができる。群生している様子はなく、ぽつりぽつりと花を咲かせている。彼岸花は群生して咲いている景観が見事なものだが、このように僅かな数で景観を彩る様子もなかなか良い風情がある。野川の河岸を東側から西側へと辿ってゆくとハナミズキの並木になっている。ハナミズキは真っ赤な実を枝々につけている。赤い実と初秋の青空とのコントラストが美しい。

野川河岸をさらに西へ辿り、左岸に「野川第二調節池」、右岸には原っぱのある辺りへ来ると、河岸にコスモスが咲いている。コスモスも決して数は多くはないが、風に揺れるコスモスの姿はやはりこの季節の象徴のような風景だという気がする。
追記 2011年10月、本頁をご覧になった小金井在住の方からメールで情報をお寄せいただいた。それによれば、野川河岸のコスモスはメールを下さった方が公園の許可を得て個人のボランティアで育成されてきたものという。「今年が11年目」ということなので2000年頃から行っておられるのだろう。個人のボランティアということに少しばかり驚き、頭が下がる思いがする。散策を楽しむときには、こうして人知れず尽力されている方がいるのだということにも気持ちを向けておきたい。情報をお寄せいただいた氏にこの場を借りて御礼を申し上げたい。

「苗圃」の中を歩いてみると、遊歩道脇にぽつりと咲いている彼岸花に出会った。緑濃い「苗圃」の中で見る彼岸花も美しいが、「苗圃」の中に他にはあまり彼岸花の姿はないようだった。

九月も下旬になれば夏の暑さもすっかりひいて散策や行楽に良い季節だ。野川河岸の「原っぱ」の中にある「くじら山」では子どもたちの遊ぶ姿があった。彼岸花やコスモスの姿を見ることができるとは言っても、武蔵野公園はそれらの「名所」と呼べるほどの規模ではない。そのためにかえって訪れる人の姿も少なく、喧噪感を感じることもない。のんびりと穏やかな気分で初秋の散策を楽しむことができる。
参考情報
本欄の内容は武蔵野公園関連ページ共通です
メインエントランス前の噴水池は、夏は子どもたちのための水遊びが可能だ。詳細は西武・武蔵野パートナーズによる公式サイト(「関連する他のウェブサイト」欄のリンク先)を参照されたい。

交通
電車で来訪する場合はJR中央線武蔵小金井駅から調布行きバス、あるいは京王線調布駅北口から武蔵小金井行きバスを利用し、「武蔵野公園」バス停で下車するとよい。

車で来訪する場合は公園南側の「東八道路」沿い、府中運転免許試験場の東側に駐車場入口がある。駐車場は有料で、約120台分のスペースがあるということだが、休日には満車になることが多いようだ。

飲食
園内には売店やレストランなどは無く、公園の周辺にも飲食店などは無い。のんびりと訪れるときにはお弁当持参がいい。東側に隣接する野川公園には軽食を販売する売店があるので、少し距離があるが、それを利用するのもいい。

バーベキュー場を利用するには事前予約が必要だ。予約方法や利用時間など、詳細は西武・武蔵野パートナーズによる公式サイト(「関連する他のウェブサイト」欄のリンク先)を参照されたい。

周辺
武蔵野公園の東側には都立野川公園が隣接し、野川河岸の散策路を下流側に辿って行けば道路をひとつ横切るだけで野川公園に入って行ける。野川公園は広々とした芝生広場が魅力の規模の大きな公園だ。併せて散策を楽しむのがお薦めだ。

野川公園からさらに野川の河岸を下流側に辿れば三鷹市大沢の里がある。昔ながらの水田風景や古民家、水車農家などが残されている。ここも併せて訪ねてみたい。

野川公園から南へ少し辿れば都立武蔵野の森公園だ。調布飛行場に隣接する公園で、開放感が魅力だ。余裕があれば散策の足を延ばしてみるのもいい。
彼岸花散歩
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