油津港の北側、
堀川運河と
梅ヶ浜に挟まれるようにして小高い山がある。「津の峯」である。漁師たちからは「日和(見)山」として親しまれてきたという。戦時中には頂上部に軍の監視所が設置されていたことから「監視所の山(かんししょんやま)」とも呼ばれる。現在の頂上部は展望台となっていて、360度に広がる眺望を楽しむことができる。
国道220号から春日町と油津一丁目の境の道を東へ入り込んだところに津の峯登山口がある。そこから鬱蒼と茂る木々の中を縫うように登山路が登っている。登山口の案内板には頂上部まで10分と記されているが、途中には急坂もあり、慣れていない人にはけっこうハードかもしれない。登山路を登り詰めて視界が開けると、頂上部の展望台である。
津の峯の頂上は標高88mだそうである。展望台は周囲360度遮るものが無く、素晴らしい眺望が広がる。南には
油津港、東には
梅ヶ浜を見下ろし、北を見れば広渡川河口から風田の浜を一望する。西には油津の町並みが広がり、その向こうに遠い山々の稜線が横たわる。どの景色も美しい。絶景と言っていい。
日南の観光名所としての津の峯の知名度は低く、日南市、あるいは日南海岸の観光に訪れて津の峯に登る人はほとんどいないのではないかと思える。しかし津の峯頂上からの眺望は数多ある日南海岸の展望スポットの中でも屈指のものではないか。日南海岸観光の際、余裕があればぜひ津の峯に登ってみて欲しいと思う。日南海岸の隠れた絶景スポットのひとつである。