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横浜市中区山手町
山手西洋館
世界のクリスマス2012
Visited in December 2012
山手西洋館世界のクリスマス
今年(2012年)もまた「山手西洋館 世界のクリスマス」が12月1日から25日までの期間で開催される。横浜山手地区に点在する洋館を舞台に、それぞれテーマの国を決めてクリスマスの飾り付けが行われるものだ。今年は開催初日の12月1日、早速「山手西洋館 世界のクリスマス」に訪れた。今年(2012年)は12月1日が土曜日だったこともあって初日から大勢の人が訪れていた。今年もまた「横浜市イギリス館」から順番に見てゆこう。
今年(2012年)も「横浜市イギリス館」のテーマ国は英国だ。「横浜市イギリス館」のテーマ国が英国なのは毎年のことだ。「イギリス館」なのだからテーマ国が英国なのは当然のことだろう。今年のテーマは「英国式寄せ植えとおいしいお菓子で楽しむクリスマス」だそうだ。サンルームで寄せ植えの展示が行われ、他の部屋ではお菓子をあしらった飾り付けが中心だ。おいしそうなお菓子の数々が並んでいるのは、見ているだけでも楽しい。レシピの紹介も行われているので興味のある人はじっくりと見てみるといい。
横浜市イギリス館「イギリス:英国式寄せ植えとおいしいお菓子で楽しむクリスマス」横浜市イギリス館「イギリス:英国式寄せ植えとおいしいお菓子で楽しむクリスマス」
横浜市イギリス館「イギリス:英国式寄せ植えとおいしいお菓子で楽しむクリスマス」横浜市イギリス館「イギリス:英国式寄せ植えとおいしいお菓子で楽しむクリスマス」
横浜市イギリス館「イギリス:英国式寄せ植えとおいしいお菓子で楽しむクリスマス」横浜市イギリス館「イギリス:英国式寄せ植えとおいしいお菓子で楽しむクリスマス」
山手111番館」の今年のテーマ国にはデンマークが選ばれている。デンマークと言えばアンデルセン、というわけで、「人魚姫」と「マッチ売りの少女」をテーマに、「If〜願い叶う夜 Christmas Night」と題した展示が行われている。そうしたテーマに相応しく人形などを使ってメルヘンの世界を思わせる演出がなされている。白を基調としたテーブル・セッティングもたいへんに美しい。
山手111番館「デンマーク:If〜願い叶う夜 Christmas Night」山手111番館「デンマーク:If〜願い叶う夜 Christmas Night」
山手111番館「デンマーク:If〜願い叶う夜 Christmas Night」山手111番館「デンマーク:If〜願い叶う夜 Christmas Night」
山手111番館「デンマーク:If〜願い叶う夜 Christmas Night」山手111番館「デンマーク:If〜願い叶う夜 Christmas Night」
山手234番館」はオランダが今年のテーマ国だ。「もうひとつのクリスマス Sinterklaas(シンタクラース)」と題されている。Sinterklaas(シンタクラース)はトナカイのそりではなく、お供を従え白馬に乗って子どもたちにプレゼントを配るのだそうだ。そんなSinterklaas(シンタクラース)を待つ子どものいる家庭を想定しているらしく、可愛らしく家庭的な印象の飾り付けがなされている。2階では「デコパージュ・クリスマス」という展示が行われている。
山手234番館「オランダ:もうひとつのクリスマス Sinterklaas(シンタクラース)」山手234番館「オランダ:もうひとつのクリスマス Sinterklaas(シンタクラース)」
山手234番館「オランダ:もうひとつのクリスマス Sinterklaas(シンタクラース)」山手234番館「オランダ:もうひとつのクリスマス Sinterklaas(シンタクラース)」
エリスマン邸」はクロアチアがテーマ国に選ばれている。「アドリア海の真珠輝くクリスマス!」というテーマだそうだが、これはアドリア海に点在する島々を「アドリア海の真珠」に例えてのことらしい。部屋毎に展示の印象が異なり、赤の色彩を基調にした部屋では家庭的な雰囲気に、サンルームでは青と白を基調にアート感覚溢れるオブジェが展示されている。テーブル・セッティングも端正な印象がとても美しい。クリスマスの展示は1階のみで、2階では山手西洋館に関する通常展示とクロアチアに関する資料などの展示が行われている。
エリスマン邸「クロアチア:アドリア海の真珠輝くクリスマス!」エリスマン邸「クロアチア:アドリア海の真珠輝くクリスマス!」
エリスマン邸「クロアチア:アドリア海の真珠輝くクリスマス!」エリスマン邸「クロアチア:アドリア海の真珠輝くクリスマス!」
ベーリックホール」の今年のテーマ国はベルギー(正しくはベルギー王国)だ。「クリスマスの記憶(カリヨンの音とともに)」というテーマの展示が行われている。カリヨンというのは日本語では組鐘ともいい、音程の異なる複数の鐘を組み合わせ、それを鍵盤で演奏する楽器のことだ。ベルギーやオランダの伝統楽器であるらしく、ベルギーと北フランスにあるカリヨンは世界遺産にも登録されているという。展示は特にカリヨンと直接の関連はないが、ベルギーの伝統的なクリスマスを演出しようという意図で、象徴的に「カリヨンの音とともに」と謳われているのだろう。枯葉や木の枝などを多用した展示はシックで落ち着いた味わいだ。玄関横のホールに設けられたオブジェや床に枯葉を敷き詰めた二階のサンルームなど、なかなか印象に残る展示だ。
ベーリックホール「ベルギー:クリスマスの記憶(カリヨンの音とともに)」ベーリックホール「ベルギー:クリスマスの記憶(カリヨンの音とともに)」
ベーリックホール「ベルギー:クリスマスの記憶(カリヨンの音とともに)」ベーリックホール「ベルギー:クリスマスの記憶(カリヨンの音とともに)」
ベーリックホール「ベルギー:クリスマスの記憶(カリヨンの音とともに)」ベーリックホール「ベルギー:クリスマスの記憶(カリヨンの音とともに)」
ベーリックホール「ベルギー:クリスマスの記憶(カリヨンの音とともに)」ベーリックホール「ベルギー:クリスマスの記憶(カリヨンの音とともに)」
山手公園内のテニスクラブのクラブハウスとして使われている旧山手68番館ではスウェーデンのクリスマスだ。「トラッド&モダン」がテーマという。今年の展示は小規模のものだが、スウェーデン在住のデザイナー、クリスティーナ・ヴェミング氏によるものだそうだ。入口のすぐ前に置かれた赤い馬に人形はダーラーナホースといい、スウェーデンから来たものらしい。
旧山手68番館「スウェーデン:トラッド&モダン旧山手68番館「スウェーデン:トラッド&モダン
外交官の家」ではフランスが今年のテーマ国だ。「Ile de France イル ド フランス」というテーマが掲げられている。「le de France」というのは「フランスの島」という意味だ。首都であるパリを中心とした地域を指す言葉で、革命以前は王家の領地だったといい、森林と宮殿の多い地域だ。「料理文化を誇るフランスのクリスマスジビエを楽しむ豊かな食卓を」描いているとのことで、フランス菓子をあしらった展示などが楽しい。バラをモチーフにした飾り付けが多く、華やかで美しい印象の展示が展開されている。
外交官の家「Ile de France  イル ド フランス」外交官の家「Ile de France  イル ド フランス」
外交官の家「Ile de France  イル ド フランス」外交官の家「Ile de France  イル ド フランス」
外交官の家「Ile de France  イル ド フランス」外交官の家「Ile de France  イル ド フランス」
外交官の家「Ile de France  イル ド フランス」外交官の家「Ile de France  イル ド フランス」
ブラフ18番館」の今年のテーマ国はオーストリア、「今、輝き放つノスタルジックなクリスマス」をテーマに「芸術と伝統文化を育んだ国の最も幸せで大切なクリスマスシーンを演出」しているそうだ。オーストリアの首都は芸術の都ウイーン、それを象徴するような美しい飾り付けがなされている。奇をてらうことなくオーセンティックで上品な印象の飾り付けで、テーブル・セッティングも花のあしらいもたいへんに気品溢れる美しさだ。1階と2階の各部屋を使用した展示は見応え充分だ。
ブラフ18番館「オーストリア:今、輝き放つノスタルジックなクリスマス」ブラフ18番館「オーストリア:今、輝き放つノスタルジックなクリスマス」
ブラフ18番館「オーストリア:今、輝き放つノスタルジックなクリスマス」ブラフ18番館「オーストリア:今、輝き放つノスタルジックなクリスマス」
ブラフ18番館「オーストリア:今、輝き放つノスタルジックなクリスマス」ブラフ18番館「オーストリア:今、輝き放つノスタルジックなクリスマス」
ブラフ18番館「オーストリア:今、輝き放つノスタルジックなクリスマス」ブラフ18番館「オーストリア:今、輝き放つノスタルジックなクリスマス」
今年の「山手西洋館 世界のクリスマス」もまた、各館の展示はそれぞれのコーディネーターが趣向を凝らし、テーマ国となった国の大使館などが後援として名を連ねている。どの展示もそれぞれに見応えがあって甲乙付けがたいが、個人的にはベーリックホールや外交官の家、ブラフ18番館の展示が強く印象に残った。開催期間中は各館でさまざまなイベントも行われる。イベントの内容や開催予定については財団法人横浜市緑の協会による山手西洋館サイト(頁末「関連する外部ウェブサイト」欄のリンク先)を参照されたい。

今年も案内リーフレットが用意されているので、最初に訪れた洋館でもらっておくといいだろう。リーフレットには横浜山手地区のイラストマップが載せられており、横浜山手が初めての人はマップを見ながら巡るといい。カメラを片手に訪れる人も多くなり、写真撮影に関するトラブルも少なくないのか、各館に撮影についての注意書きが掲示されていた。館内での三脚の使用は避けるべきだし、同じ場所を長時間に渡って占拠するのもよくない。撮影のために展示物を動かしたりするのはもってのほかである。くれぐれも他の来館者や主催者の迷惑にならないように気を付けたい。また西洋館のほとんどは靴を脱いで入館しなくてはならないので、脱ぎ履きがしやすく、他の人と間違われない靴を履いてゆくのがお勧めだ。
山手西洋館世界のクリスマス
山手西洋館世界のクリスマス
山手西洋館世界のクリスマス