晩秋を迎えた旧古河庭園の日本庭園では随所で真っ赤なモミジが陽光を受けて輝いている。池を巡る散策路を辿れば、さまざまな表情の紅葉の景色に出会って楽しい。池の辺から見る景色も良いものだが、斜面の林を辿る小径から見下ろすように眺める景色もいい。やはりモミジの紅葉と日本庭園との取り合わせというものはたいへんに良い風情があり、池越しに見るモミジの姿や石灯籠とモミジとの組み合わせなど、どの景色も良い味わいを醸している。庭園内にはもちろん常緑樹も多く、それらの緑と紅葉とが見せるコントラストに秋空の青がさらにアクセントを添える。もちろん楓の紅葉だけでなく、ハゼノキなど、他の落葉樹も美しい紅葉を見せてくれる。すっかり葉の落ちた百日紅の枝振りも自然の造形美というものを感じさせて味わいのあるものだ。