横浜市中区山手町
山手西洋館
世界のクリスマス2011
Visited in December 2011
今年(2011年)もまた「山手西洋館 世界のクリスマス」が12月1日から25日までの期間で開催される。横浜山手地区に点在する洋館を舞台に、それぞれテーマの国を決めてクリスマスの飾り付けが行われるもので、すっかり12月の山手の風物詩になった。今年(2011年)は12月の初めにお天気に恵まれなかったこともあって、一週間ほど経ってからようやく「山手西洋館 世界のクリスマス」を訪ねた。今年もまた「横浜市イギリス館」から順番に見てゆこう。
今年(2011年)も「横浜市イギリス館」のテーマ国はもちろん英国、「英国名窯で彩るクリスマス」というテーマで展示が行われている。今年、英国でウィリアム王子とキャサリン妃のロイヤル・ウェディングが執り行われたことに因み、“英国王室と繋がりの深い英国名窯と共に楽しむロイヤル・ファミリーのクリスマス”という趣向のようだ。例年のように二階の部屋を舞台にテーブル・セッティングや各種の飾り付けがなされている。“英国名窯と共に楽しむ”ということで、陶器が多用されたテーブル・セッティングで、英国王室をイメージしているだけあって気品に満ちた印象だ。陶器製らしい“花”の装飾品がひときわ目を引く。顔を近づけて見入る人や、カメラのレンズを向ける人の姿が多かった。
「山手111番館」の今年のテーマ国は日本、「祈り・希望〜絆を深めるクリスマス」というテーマが掲げられている。今年は日本にとって大きな試練の年だった。さまざまな思いの中で今年もまたクリスマスを迎える。“東北の被災者の方々に祈りを込めて、支援して下さった国々に感謝を込めて”との主旨で、折り鶴を装飾に使ったクリスマス・ツリーが飾られている。テーブル・セッティングや窓辺の飾り付けも色彩は白を基調にしたもので、テーマに込めた思いが伝わってくる。
「山手234番館」の今年のテーマ国に選ばれているのはイタリア、「ベネチアガラスに彩られたクリスマス」というテーマで、今回のためにベネチアから取り寄せたという、ガラス製のオリジナル・オーナメントが飾られている。テーブルに飾られている赤いオーナメントはバラの花を象ったものか。窓からの光を受けて輝く姿がたいへんに美しい。山手234番館は例年は二階では展示がなされないのだが、今年は「サンタクロースに魅せられて」と題して水鳥照子氏の作品が展示されている。これもぜひ見ておきたい。
「エリスマン邸」のテーマは「God Jul 妖精と子供たちのクリスマス」、テーマ国はスウェーデンだ。テーブル・セッティングも各種の飾り付けも赤と緑を基調にしたもので、テーブル中央にはプレゼントの箱やぬいぐるみが積まれ、テーマに“妖精と子供たちの”と謳われているように、アットホームで可愛らしく楽しげな印象だ。
「ベーリックホール」の今年のテーマ国はエストニア、「クリスマスin マイカントリー Christmas in my country」というテーマだ。エストニアはいわゆる“バルト三国”の中の小国、一般の日本人には馴染みの薄い国かもしれない。コーディネーターを務める平井ペダルカトリン氏がエストニアの出身であるらしく、エストニアの風土や文化の紹介という目的も兼ねた展示になっている。赤と緑を基調にしたテーブル・セッティングも素敵なものだが、二階で行われているエストニアに関する展示にもしっかりと目を通しておきたい。
山手公園内のテニスクラブのクラブハウスである旧山手68番館では「白銀の世界へようこそ!」と題してスイスがテーマ国に選ばれている。テニスクラブのクラブハウスとして使われている建物だから規模の大きな飾り付けはできないが、白い布などを使って“白銀の世界”をイメージした展示がなされている。
山手公園は山手本通りから少し入り込まなくてはならないため、初めて訪れた人などにはわかりにくいのか、今年もまた小さな妖精のようなサンタが道案内に立っている。これがなかなか可愛らしい。
山手公園は山手本通りから少し入り込まなくてはならないため、初めて訪れた人などにはわかりにくいのか、今年もまた小さな妖精のようなサンタが道案内に立っている。これがなかなか可愛らしい。
今年の「外交官の家」のテーマ国はアイルランド、「ケルトの国のクリスマス」というテーマで展示が行われている。“素朴で穏やかな自然や文化。人の心を暖かく包むエバーグリーン”と案内にあるが、緑の植物に赤い木の実や花などをあしらった“クリスマス・カラー”の飾り付けは、クリスマスの飾り付けの王道というべきか。奇をてらったところのない、落ち着いた印象の飾り付けがなされている。
「ブラフ18番館」では例年凝った飾り付けで楽しませてくれるが、今年のテーマ国はフランス、「エスプリ香るパリスタイルのクリスマス」というテーマで展示が行われている。赤やピンク、白を基調にしたテーブル・セッティングもお洒落な印象で、“エスプリ香るパリスタイル”と謳っているだけのことはあるという印象だ。一階フロアから二階フロアまで、各部屋、廊下の端など、さまざまな場所を舞台に趣向を凝らした飾り付けがなされており、中にはアート感覚溢れるものもあり、小物使いも楽しく、見応え充分だ。
今年の「山手西洋館 世界のクリスマス」も各館、それぞれにコーディネーターが手がけ、各テーマ国の大使館や観光庁などが後援として名を連ねている。どの展示もそれぞれに見応えのあるものだが、個人的にはブラフ18番館の「エスプリ香るパリスタイルのクリスマス」や外交官の家の「ケルトの国のクリスマス」が強く印象に残った。開催期間中は各館でさまざまなイベントも行われる。イベントの内容や開催予定については財団法人横浜市緑の協会による山手西洋館サイト(頁末「関連する外部ウェブサイト」欄のリンク先)を参照されたい。
今年も案内リーフレットが用意されているので、最初に訪れた洋館でもらっておくといい。リーフレットには横浜山手地区のイラストマップが載せられており、横浜山手が初めての人にも便利だ。山手本通りの歩道でこのリーフレットのマップに見入る人たちの姿を何度も見た。毎年書いていることだが、洋館は靴を脱いで入館するところが多く、訪れるときは脱ぎ履きのしやすい靴を履いていくことをお勧めする。また靴の履き間違いも少なくないらしいので注意されたい。各西洋館で“山手西洋館”と名の入った白いスリッパが販売されている。西洋館巡りにどうぞ、というわけだ。記念を兼ねて買い求めてみるのも一興だ。
今年も案内リーフレットが用意されているので、最初に訪れた洋館でもらっておくといい。リーフレットには横浜山手地区のイラストマップが載せられており、横浜山手が初めての人にも便利だ。山手本通りの歩道でこのリーフレットのマップに見入る人たちの姿を何度も見た。毎年書いていることだが、洋館は靴を脱いで入館するところが多く、訪れるときは脱ぎ履きのしやすい靴を履いていくことをお勧めする。また靴の履き間違いも少なくないらしいので注意されたい。各西洋館で“山手西洋館”と名の入った白いスリッパが販売されている。西洋館巡りにどうぞ、というわけだ。記念を兼ねて買い求めてみるのも一興だ。